2021-01-01から1年間の記事一覧

檸檬 梶井基次郎

京都で、病弱で美意識の高い教養ある若者が、丸善に入り画集で城を作り、その上に檸檬を置いて出てくる。そして檸檬を爆弾だと空想して街を歩く。 檸檬は、一度読んだら、忘れられない物語だ。感動して泣く、深く心を揺さぶられるとかはない。でも忘れられな…

高瀬舟 森鴎外

鴎外自身がコメントしているがこの話には二つの大きな問題が含まれている。ひとつが、財産というものの観念であり、もうひとつは、死に掛かっていて死ねずに苦しんでいる人を死なせて遣るということだ。つまり知足と安楽死がテーマとなっている。 高瀬舟は、…

こころ 夏目漱石

漱石は、明治以前の日本の美意識であったり、倫理観を持っていた。一方で、急激に日本に入ってきた西欧文化を相対的に見ることができ、日本は必ず西欧文化のように発展しなければならないとは考えていなかった。西欧文化の考え方である自由と自意識の追求は…

非属の才能

息子の中学受験に向けて本でも買うかと、過去問の出典を調べていたところ、開成の入試に山田玲司の「非属の才能」が使われているのを見つけた。 30代後半から40代には懐かしいであろうBバージンの作者である。 日本の最高知能の人達を選抜するための試験に、…

日本は財政破綻しないけど、それでいいかというと違う。

日本の国債は現在1200兆を超えている。 日本は財政破綻すると主張する人もいるし、 外国から借入していないから全然オッケーと主張する人もいる。 結局、どっちなんだ? まず、国の財政破綻ってどういうことだろう? 国債を返せなくなるということだとすると…

金融所得の税率より、日銀の株式購入のほうが問題

岸田内閣は、金融所得の税率を上げることを検討中らしい。一億円以上の所得があると、所得税の税率負担が低下しており、それを一億円の壁と言われている。中間層への配分を増やすとの政策の一環として、金融所得への課税を上げることを考えているとのことだ…